地球上で最大級の単細胞生物、オオバロニア(Valonia ventricose ) 。 この緑藻は、表面から見るとただの光沢のある緑色の球体に過ぎませんが、その内部には驚くべき秘密が隠されています。 日本の近海にも存在する、この巨大な単細胞生物たちはどのような「中身」をしており、またどのように細胞分裂するのでしょうか? 今回はまず気になる中身を紹介しつつ、増殖の仕組みについても解説したいと思います。 研究内容の詳細は『Protoplasma』にて掲載されました。
幼稚園児に服が与える影響を調べる幼稚園児に服が与える影響を調べる / Credit:Canva服は自己の内面や思想を表現する手段です。 そのため思想をコントロールしたい独裁者はときに、ファッションの取り締まりに躍起になりました。 一方で「型から入る」の言葉のように服が外側から自己の内面に働きかけることも知られています。 自分に自信がなかった人でも、最高級のスーツやドレスを身にまとい高級な腕時計やバッグを持つことで、身のこなしがいつの間にか「大物」っぽくなっていたりするからです。 しかし、服が就学前の子どもにどのような影響を与えるかは詳しく知られていませんでした。 そこで今回、ブリガムヤング大学の研究者たちは、3歳~5歳の223人の幼稚園児たちに服が与える影響を調べることにしました。 実験にあたっては「男女らしさを後押しするヒーローやお姫様の服」「性的に中立な服」「女戦士や着ぐるみのような男
私たちは、光を使って世界を見ています。 そのため、人間が光の速度に近づいて動いた場合、世界の見え方にはいろいろと奇妙なことが起こります。 光のドップラー効果で色彩が変化したり、空間や時間が歪んで見えるようになるのです。 ただ光は宇宙でもっとも速い存在のため、人間がそれを知覚できる状況は普通ありえません。 そこで、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)の研究チームは、こうした物理学者の思考実験の世界を実際体験するために、光の速度が低下する世界を表現したゲームを開発しました。 光の速度が低下していったとき、世界は一体どのように見えるのでしょうか?
宇宙はビッグバンによって始まり、それ以前は「無」だったというのが現在の定説となっています。 けれど、もしかしたら私たちの宇宙は常に存在していて始まりはなかった可能性が、新たな量子重力理論によって示されました。 イギリス・リバプール大学(University of Liverpool)の研究チームは、因果集合理論(causal set theory)と呼ばれる量子重力の新しい理論を使い、宇宙の始まりについて計算したところ、宇宙に始まりはなく無限の過去に常に存在していたという結果を得ました。 この結果に従うと、ビッグバンは宇宙が遂げた最近の進化の1つでしかないということになります。 この研究は『arXiv』で公開されたのみで、査読付き論文誌に掲載されてはいませんが、ビッグバン以前の宇宙は無だったという説明に納得できない人には、興味深い洞察になるかもしれません。 この研究成果は、2021年9月2
シャコは、生物界一のハードパンチャーとして有名です。 ハンドスピードは、プロボクサーの時速30〜50キロに対し、シャコは驚異の80キロ超え。威力もハンパではなく、人の指くらいなら簡単に折ってしまいます。 シャコは、自分のパンチ力で関節を痛めないよう手加減しているという研究もあるほどです。 このシャコパンチで、魚を気絶させたり、カニの硬い殻をぶち割ったりしますが、それでいてシャコの拳には傷ひとつ付きません。 その謎を解明するべく、米・カリフォルニア大学は、電子顕微鏡を使って、シャコの拳の秘密に迫りました。 その結果、シャコの拳には、パンチの衝撃を吸収・分散できる「自家製サポーター」が施されていることが判明します。
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