24日に首相官邸を去った福田康夫前首相は退任直前、1年間にわたり務めた首相としての悔悟と誇りを関係者に語った。悔やまれるのは、首相就任までに経験した閣僚が官房長官だけだったこと。誇りとするのは、「ポピュリズムに迎合しない政治を通した」ことだという。 官房長官としては歴代最長となる1289日の在任日数を務め、中央省庁に強い影響力を示し、「影の外相」「影の防衛庁長官」ともいわれた。官僚には「お役人」と呼ぶほど大きな信頼を寄せていた。 だが、年金記録紛失問題や後期高齢者医療制度への対応など「お役人」の相次ぐ不手際や怠慢に足を引っ張られた。9月1日の辞任表明後も、事故米不正転売をめぐる不手際から農水省のトップ2人の更迭を余儀なくされた。 「官僚組織というものが官房長官では分からなかった。官僚を使いこなすのがいかに大変かが分かった。どこかの役所の大臣を経験した方がよかった」 そう振り返った福田氏は内