ポスターに怒鳴りまくる それで「罪と罰」を使って第一弾ポスターを作ることになるんですけど、それをめぐってまた一悶着が起きるんです。ポスターの試し刷りをするにあたって、ひとつは原画に忠実な色、もうひとつは蛍光ピンクを入れてちょっと派手にしたものを作りました。それを持っていくと、派手なほうを見て、高畑さんは怒りだしました。「あなたはこんなふうに作品を売りたいのか!」。高畑さんが怒鳴りまくる中、僕が黙っていると、たまたまその絵を描いた男鹿和雄さんがやってきました。高畑さんとしては我が意を得たりと思ったんでしょう。「男鹿さん、どう思いますか」と聞いた。そのとき一瞬、僕と男鹿さんの目が合いました。すると、男鹿さんは「こっちでいいんじゃないですか」と派手なほうを指さしたんです。高畑さんとしては悔しかったでしょうね。 ©文藝春秋 この問題はさらに尾を引きます。その後、制作がだいぶ進んでから、高畑さんが「