硬直したカトリック保守体制の正体 スペインは1975年まで軍人フランシス・フランコの長期独裁体制下にありました。 当時のスペインはカトリック信仰に基づいた保守的・家父長的な規範が推奨され、国が隅々まで国民を監視し行動や発言、表現に介入してくる極めて息苦しい国でした。スペインは現在は世界でもっともフェミニズム運動が盛んな国の一つなので隔世の感があります。 フランコ独裁体制のスペインの歴史と社会についてまとめていきます。 1. フランコ将軍の反共和国反乱 右派と左派の対立 1930年に成立したスペイン第二共和政では、基本的人権の保障と農地改革の実施が公約に掲げられました。特に農地改革は待ったなしと言われ、農民の悲願でした。 政府は労働者・農民保護のための様々な政策を打ちますが、一部の労働者・農民は政府の対応は生ぬるいとさらに急進的な方策を求め反乱を起こしたため国内の治安が悪化します。 治安の悪