津波で破壊された岩手県宮古市田老地区の防潮堤=3月13日、樫山晃生撮影 震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の3県が、それぞれ異なる過去の高波を想定して防潮堤を造っていたことがわかった。岩手は明治三陸地震津波、宮城は昭和チリ地震津波、福島は台風による高波。この結果、防潮堤の高さに差ができていた。 防潮堤は高潮や大波を防ぐため、海に沿った陸上に設けられる堤防。今回の震災では想定を超える大津波に襲われ、3県の堤防約300キロのうち約190キロが全半壊したとされる。 各県の海岸保全基本計画などによると、岩手県は県内の防潮堤を含む海岸保全施設の約3分の1で、10メートル以上の津波を想定していた。 明治三陸地震で15.5メートルの津波が来襲した同県普代村では、この高さの防潮堤を整備。今回、防潮堤は倒壊を免れ、村内の死者と家屋倒壊数はゼロだった。 宮城県は、チリ地震津波では最も高い津波が