2010年はどのような年になるだろうか? それは、2010年度予算案を見るとよくわかる。日本人の経済活動も生活も、その基本は予算によって規定されるからだ。どんな年でも予算はつねに経済と生活の象徴であり鏡であるが、2010年度についてはとりわけそうだ。 この予算案に対する評価を一言でいえば、「戦略不在」ということだ(*1)。「混迷と矛盾と無責任の寄せ集め」と言ってもよい。 日本経済が破綻に向かって突き進んでいるのが明らかであるにもかかわらず、基本的なビジネスモデルをどう立て直すかに関して、何のビジョンも示されず、戦略が考えられていない。その結果、予算の内容は支離滅裂になっている。それだけならまだしも、不必要な施策に巨額の浪費的予算手当てがなされた結果(そして他方では税収が激減したため)、前代未聞の財政赤字が発生している(*2)。 日本経済がいま抱える課題を一言でいえば、「これまで世界を支えて