前回ご紹介したHTVL-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)は、あまり感染力が強くありません。性交渉で感染することもありますが、その危険性はそれほど高くなく、感染は主に母乳を介して起こり、対策をしなければ感染の確率は約20%とされています。ということは、計算上は一世代ごとに感染している人の割合は5分の1に減り、十世代も経てばウイルスは自然消滅するはずです。ただ、感染の確率約20%というのは現代のデータであって、人工乳などなく授乳期間が長かった過去の時代においてはもっと高い確率で母子感染が起こっていたのでしょう。 感染力があまり強くなく、主に母子感染するというウイルスの性質を考えると、今の時点でウイルスに感染している人たちの母親、祖母(母親の母親)、曽祖母(祖母の母親)もウイルスに感染していた可能性が高いと考えられます。もしかすると、HTVL-1に感染している日本人の母系をたどると、1人あるい
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