シーズンオフになるとファンやメディアは「あの試合に勝っていれば」と最終順位の原因を天王山に求め、「たら・れば」を口にする。一方で監督は「シーズンを通しての結果であり、これが実力」と結果を受け入れる。 ヴァンフォーレ甲府はJ2第3位で昇格を決めた湘南ベルマーレにわずか勝ち点1、届かなかった。それを全51試合の結果とする甲府の安間貴義監督の見方は正しい。同様にJ2第49節で湘南に敗れたから昇格できなかったという意見が甲府サポーターにあるなら、それも等しく正しい。重要なのは甲府が3位以内に入れなかったという事実。そして3位以内まであと勝ち点1、J1昇格圏内と圏外を隔てる境界線ギリギリまで迫ったということだ。 昇格に必要な勝ち点1を獲得できなかった理由は何だろうか。 最終節の2日後、山梨県昭和町の押原公園で練習にいそしむ甲府を訪ねた。論客のDF山本英臣に「今季の甲府は昇格に値するチームだった