「子供の頃、親から厳しく育てられた」 と言う受刑者が少なくないのに気づいたのは、受刑者たちとの面接を始めてからしばらく経った後のことでした。 最初のうちは、厳しく育てられた者がどうして非行や犯罪など悪いことを繰り返すのだろうかと、その意味がよく分かりませんでしたが、聞いているうちに、それは親からの体罰や虐待を受けて育てられたということでした。 受刑者が親から受けたと言う体罰は、殴られた、蹴られた、布団叩きやハタキの柄やズボンのベルトなど手近の物で叩かれた、熱い湯茶を浴びせられた、タバコの火を体に押し付けられた、針で刺された、バケツの水の中に頭を押し込まれた、食事を与えられず外に締め出された、紐で縛られ物置で一晩明かしたなど、親の気に入らないことをするたびに体罰と罵倒に見舞われたというものでした。 これはもう、しつけのための罰どころではなく、親の気に入らないことをただ子供に向けて発散し、繰り