(佐々木俊尚) 「通信と放送の融合」という言葉は、大手ネット企業であるライブドアや楽天が2005年前後、放送局にさかんに触手を伸ばそうとしたころから一般に流通するようになった。楽天はいまもTBSに対する資本提携構想を崩しておらず、最近の報道では持ち株比率をさらに高め、役員の送り込みを図っているという。 楽天が2005年秋、TBSに対して電撃的な統合提案を申し入れた際、100ページに余る提案文を作成していた。当時、その内容をすっぱ抜いた読売新聞によれば、その中身は次のようなものだった。 <放送と通信を融合させた具体的な事業としては、(1)楽天グループ3000万会員の基盤を活用して「見たい番組」情報を提供、(2)TBSの番組や広告を視聴することで、買い物に利用できる楽天ポイントを付与、(3)ブログを活用した視聴者同士のコミュニケーションの拡大――などを挙げ、「視聴者個人の好みに合わせ、番