米国産牛肉の高騰と円安のダブルパンチで、昨年から今年春にかけて相次いで値上げを発表した、すき家、吉野家、松屋の牛丼大手3チェーン。デフレ下では並盛280円という激安価格で一世を風靡したが、今では3チェーンとも300円台となった。 今年春、トヨタ自動車を筆頭に多くの大手企業で過去最高のベースアップが実現し、夏のボーナスも多くの業種で増えた。昨年の消費増税の影響もあり、実質賃金はまだ増加に転じてはいない。ただ、減少幅は確実に縮小している。 そんな微妙な状況のなかでの値上げの結果は、果たしてどうだったのか。牛丼3社の中でいち早く2015年度第1四半期決算(3月~5月)を発表した吉野家ホールディングスは、前年同期比で売上高3.4%増、営業利益58.9%減。主力の吉野家に限ってみれば、売上高も1.8%減で、値上げによる客数減少が浮き彫りとなった。 客足が減少しているのは、すき家や松屋も同じ。さらに他