東北関東大震災で被災した岩手県大船渡市。大船渡市出身のサッカー選手といえば、元日本代表で鹿島アントラーズに所属する小笠原満男だろう。彼は震災後、NHKの取材に対して「何かできることはないかと考えている。できることなら今すぐにでも現地に駆けつけたい」と語った。 それからほどなくして、小笠原は自ら車を運転し、本当に現地へと駆けつけて避難所や母校を訪ねて回った。インタビューを見てどうせ口だけなんだろうと思った人たちをあざ笑うように。 避難所では、突然現れたスター選手に少年たちは歓喜し、束の間の笑顔をもたらした。そして被災者たちに「何か不足しているものはありませんか?」と声をかけ、母校では「何をしていいのかわからないけど、とりあえず母校ということでここへ来てみました。何ができるのかを見極めて自分ができることをやりたい」と述べた。愚直で、とても正直な男なんだなと思った。 小笠原は東北出身者のJリーガ