国立長寿医療研究センター(長寿研、愛知県大府市)は二〇一五年度、高齢者の介護、福祉ロボットの開発と普及を目指す「高齢者生活活動支援ロボットセンター(仮称)」を新設する。全国の大学や企業の技術、製品の情報と現場の声を集約し、需要に合ったロボットの開発支援や実証の場を提供。連携する愛知県は、センターの隣に製品や試作品を実演展示したり、開発企業の相談を仲介したりする「実用化支援センター」を設ける。 一月十七日に藤田保健衛生大(愛知県豊明市)で開く設立準備委員会には、リハビリロボットの開発を手掛ける自動車メーカーやオブザーバーとして経済産業省、厚生労働省なども参加し、産官学で取り組む。 長寿研は病院と研究所が併設された高齢者医療の専門機関。機能回復診療部の近藤和泉部長(56)によると、現在のロボットはまだ高齢者の複雑な動きや反応に対応できなかったり、機能が限られたりして現場のニーズに合っていない製
病気や事故で手足を失った障害者がプレーできるサッカー競技「アンプティサッカー」の普及に情熱をかける選手がいる。11月下旬~12月上旬に開かれた同競技のワールドカップ(W杯)メキシコ大会にも出場した日本代表、川合裕人さん(48)=関西セッチエストレーラス所属。日本代表チームは今回、初めてグループリーグを首位で突破し、決勝トーナメント戦まで進むなど、着実に実力をつけている。川合さんは「障害者であることを忘れてしまうほど迫力あるプレーを、ぜひ見てほしい」と呼びかけている。 ◇ ◆国内チームも アンプティサッカーは、手足が不自由な障害者がプレーするサッカーとして海外で考案された。 通常の障害者スポーツのように専用の器具などは着けず、日常生活やリハビリで使用する「クラッチ」と呼ばれるつえを腕に着けてプレーする。 試合は7人制。コートは通常のサッカー場の3分の2の面積を使い、試合時間は前後半の計50分
「娑婆(しゃば)での生活にようやく慣れてきた」「自分も働いて収入を得たい」 10月15日午後7時すぎ。関西のある更生保護施設の会議室で、元受刑者の入所者7人が車座に並べたパイプ椅子(いす)に座っていた。軽度の知的障害を持つ入所者の姿もある。日中は各自、仕事や住居を探しに外出するため、集まれるのは夜間ぐらいしかない。 ただの談笑ではない。対人関係で直面する問題を想定した社会生活技能訓練(SST)の一幕だ。 この施設はコミュニケーションに時間を割いてSSTを行っている。講師を務める精神保健福祉士の女性(33)が、その狙いを明かした。「刑務所では、安心して正直に話せる機会が少ない。『どんな話でも聴いてもらえる』と思わせることで、やる気を引き出したい」 原則半年という短い入所期間では、参加者の入れ替わりが激しい。雑談で一人一人の性格や知能レベルを把握し、より効果的な授業をしたいといった思惑もあると
3階建ての施設が、閑静な住宅街に溶け込んでいる。寝具と机、テレビを備え付けた広さ6畳の個室が40室。食堂と風呂は共有で、職員が24時間常駐する。寮やアパートと異なるのは、家賃と朝夕の食費がかからない点だ。 関西のある更生保護施設。住んでいるのは、刑務所を出たばかりの元受刑者たちだ。多くは身寄りがなく、社会に居場所がない。原則半年という法定の入所期限までに、仕事を探し、貯金をし、住居を見つけて自立への足がかりを築く。 全国に103カ所ある更生保護施設は、篤志家によって明治21年に設立された「静岡県出獄人保護会社」がルーツとされる。現在も浄土真宗などの仏教教団を含む民間の善意が支え、国の機関である保護観察所から元受刑者らの保護を委託されている。 刑務所では出所前から、本人の意向を踏まえて保護観察所などと調整し、受け入れ先となる更生保護施設を探す。切れ目のない支援を通じ、急激にでなく徐々に社会復
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く