特別養護老人ホームなどの介護施設で平成25年度、職員による高齢者への虐待が確認されたのは前年度比で約43%増の221件で、7年連続で過去最多を更新したことが6日、厚生労働省の調べで分かった。被害者の8割超が認知症だった。家族や親族による高齢者への虐待も1万5731件と3年ぶりに増加。厚労省は「職員による認知症への理解不足があるほか、家庭では1人で介護している状況での虐待が目立つ」と分析している。 調査は高齢者虐待防止法に基づき18年度から実施。市区町村などが受けた相談や対応をまとめた。 施設職員による虐待の被害者は402人。虐待程度を5段階で評価し、最も深刻な「生命などへの重大な危険」に該当したのは22人だった。虐待を行った職員は282人で、男性が約52%、女性が約48%。介護従事者全体の約8割は女性で、虐待者に占める男性の割合の高さが目立った。 被害者のうち、日常生活に支障がある認知症患