まず、グローバルな成長を取り込む必要がある。このことは市場という面で議論されることが多いが、研究開発能力という面でも非常に重要である。人材育成が進んできた人件費の安い新興国で研究開発を行うことを含めて、世界の研究開発資源を利用して研究開発を行っていくことも重要だ。 知識は一度創出すれば限界費用がゼロで、あらゆる産業・市場に何度でも適用することができる。したがって、各国・各企業が独自性のある研究をするという条件が整えば、研究開発に従事する人の増加は世界経済の成長を高める効果がある。ただし、世界市場を活用できる企業でなければ、研究開発競争に十分対応できない。また、国際的な知識や分業を活用することも不可欠である。 ただ、日本企業は「ガラパゴス」といわれるように、研究開発の成果を世界市場で活用する能力がいま一歩遅れている。たとえば、日本において発明者が標準開発に従事している頻度は欧米の半分程度であ