地球は温暖化が進んでいるというのに、就職事情は氷河期のままだ。多くの大学生は学業より内定獲得を気にしている。背景には企業の先行き懸念、学生の大手志向などいくつかの要因がある。その課題を、今年はどこまで乗り越えることができるのか。堆積する「進路未定者」 「働く意欲を強く持ち、収益に貢献できるような人材でなければ、採用されない。右肩上がりの経済成長期のように、企業が新卒者を手ぐすねをひいて待っていた時代とは違う」 昨年12月初旬、東京都新宿区の「いい就職プラザ東京」で開かれたガイダンス。就職支援会社、ブラッシュアップ・ジャパン(同区)社長、秋庭洋氏の講演に約50人の参加者は静かに聞き入っていた。 同社は、内定がないまま卒業した「既卒者」や短期間で会社を辞めた「第二新卒」といわれる若者の正社員就職をサポートする専門会社だ。登録する求職者は約10万1000人(平成22年10月末)、22年4月からの