今年もノーベル賞の発表が迫ってきた。 10月3日の生理学・医学賞をトップバッターに順次公表される。 日本人科学者で一番注目を集めるのは、iPS細胞(新型万能細胞)を作製した山中伸弥・京都大学教授(49)だ。「ノーベル賞の前哨戦」ともいわれる海外の主要な科学賞をとっており、生理学・医学賞の下馬評に挙がっている。 山中教授と初めて会ったのは2009年1月。衆院議員会館の玄関だった。この場面は、よく覚えている。有名人ということもあるが、別の理由もあった。 山中教授は議員会館に入るのに待たされていた。時間を計っていたわけではないが、20分くらいは玄関に立っていたろうか。 与党(当時は自公政権)の勉強会に参考人として招かれ上京していた。勉強会は事実上、科学者が研究環境の充実を政治家に陳情する場。山中教授も研究の現状を説明し、積極的支援を訴えるために来ていた。 当時すでに、新聞、テレビで名前をよく知ら