このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。 ○月×日 午後 飲食代金棒引きの手口 「うちの子供が、店のサンダルをはいていてケガをした。お詫びとして食事代をタダにしろ」─。 先日、ある焼き肉店で子供を連れた20代男女のグループ客の一人が、店長を執拗(しつよう)に怒鳴りつけ、飲食代金をタダにしてしまうというトラブルが発生した。このグループ客は、店のスタッフが路上で割引券を手渡して呼び込んだのだが、入店直後から「もっと料金を安くしろ」と、何回も言ってきた。さらに、周囲の迷惑も顧みずに大声で騒ぎ、マナーも最悪だったという。 ここまでなら迷惑な客ということで終わるのだが、妙な展開になってきたのは食事が終了したあたりからだ。 グループ客は「炭火から出る煙が目に染みる」と言い出した。なぜ今頃言い出すのだろう? 店側はその真意を図りかねた