東京電力福島第一原発3号機への放水について記者会見する東京消防庁の佐藤康雄警防部長(右)と第六方面消防救助機動部隊の冨岡豊彦総括隊長=19日午後10時55分、東京・大手町の東京消防庁で 「日本の救世主になってください」。危険な現場に向かうことを告げる夫に、妻はこう返した。東京電力福島第一原発3号機への放水作業。被ばくの危険にさらされながらの任務を終え、無事帰還した東京消防庁のハイパーレスキュー(HR)の隊員が十九日夜、同庁で記者会見し、命懸けの活動を振り返り、心配を掛けた家族への思いを語った。 大変だったことは何か。そう問われた第六方面消防救助機動部隊の冨岡豊彦総括隊長(54)はしばし絶句。ほおを震わせ、見る間に目に涙が浮かんでくる。言葉を振り絞るように「隊員は士気が高かった。残された家族にはお礼とおわびを申し上げたい」と、困難な任務を支えた隊員と家族への感謝を述べた。 隊員は十七日午後十