いかにも真面目そうなタイトルと真面目そうな研究会だが、その内容は衝撃的だった。ちょっと長いが引用する。 3 子宮摘出の背景 子宮をとってもかまわんか? 長谷川真弓(仮名)は30代の女性。重度の脳性まひで、車いす生活を送る。食事の時も排便の時も手助けが必要だ。地元の養護学校を卒業した後、1979年に自宅から車で約1時間の、山深い療養施設に入った。 最初に会った時、短く切った髪、白い肌にいたずらっ子のようなそばかす。まっすぐ相手を見つめる奥二重の瞳が印象に残った。紹介者から「言葉が不自由だから、初対面の人には電話では彼女の言うことがわからないかもしれないと思うよ」と忠告されていたが、彼女が意識的に大声で話してくれるため、何度も聞き返すことはほとんどない。自分の持っている意見や感想を忌憚なく、一生懸命伝えようとする女性だ。 毎日、施設ではワープロで詩作活動に耽ったり、十数年前から施設外の合唱サー