毎年、さまざまな新車が華々しくデビューを飾るその影で、ひっそりと姿を消す車もある。 時代の先を行き過ぎた車、当初は好調だったものの市場の変化でユーザーの支持を失った車など、消えゆく車の事情はさまざま。 しかし、こうした生産終了車の果敢なチャレンジのうえに、現在の成功したモデルの数々があるといっても過言ではありません。 訳あって生産終了したモデルの数々を振り返る本企画、今回はトヨタ セラ(1990-1994)をご紹介します。 文:伊達軍曹/写真:ベストカー ■ガルウイング採用のスーパーカーを160万円で市販化 バブル景気真っ只中のトヨタが開発した、当時の大衆小型車「スターレット」をベースとするガルウイング採用モデル。それが、今となっては「時代の徒花(あだばな)」と言われることも多いトヨタ セラです。 ガルウィングはもちろんのこと、広大なガラス面(車体の上半分ほぼすべてをガラスが占めた)を持つ