日本の電力事情を支える屋台骨が、原発から洋上風力発電へと移行しようという動きがある。領土における海洋面積が広い日本で、洋上風力発電が実現すれば、さまざまなエネルギー問題を解決に導く一手となりそうだが、実態はどうなっているのだろう。 ここではNewsPicksのニューヨーク支局長を務める森川潤氏の著書『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』(文春新書)から一部を抜粋。日本の洋上風力発電の現況を見る。(全2回中の2回目/前編を読む) ◆◆◆ 日本に突如生まれた巨大市場 2020年12月、日本政府が掲げた数字に、エネルギー業界で衝撃が走った。 10月のカーボンニュートラル宣言を受け、「グリーン成長戦略」の策定を担っていた官民協議会が、洋上風力発電の規模を2030年までに1000万、2040年までに3000万~4500万キロワットまで引き上げ