「四輪車」という言葉があるように、自動車のタイヤは4つだ。トラックやダンプカー、トレーラーなどでは六輪や八輪、あるいはもっと多い場合もある。これは重量物を運ぶために、タイヤひとつあたりで支える重さを小さくするという意味がある。 逆に二輪だとオートバイで、四輪車とは別の乗り物になる。ここで“中途半端”な存在として浮かび上がってくるのが三輪車。日本では1950年代から60年代にかけて、オート三輪と呼ばれる三輪のトラックが多数走り回っていたが、現在は姿を消している。なぜ三輪の自動車はほどんどなくなってしまったのだろうか。 1950年代から60年代にかけてが最盛期 この事情は割と簡単だ。三輪は四輪よりも安定が悪く、ひっくり返りやすいのである。特に、荷物を多く積むために車体を前後に長くした場合に安定性の悪さが顕著になる。 にもかかわらず、かつてダイハツの「ミゼット」やマツダの「T2000」といった三