ギャンブル依存症は人々をどう狂わせていくのか。政府は今国会でカジノ解禁につながる統合型リゾート(IR)実施法案の成立をめざしているが、依存症への懸念は根強い。いまも依存症を克服できずにいるという大相撲元関脇の貴闘力さん(50)に聞いた。 ――子どものころから、ギャンブルで苦労されたと聞きました。 生まれてから、ギャンブルは生活の一部、空気みたいだったね。賭け事好きなおやじのせいで、小さい頃は借金取りに追われ続けた。借金取りが家に来て、電話は鳴りっぱなし。電話を押し入れの布団の中に隠しても鳴り続ける。家に差し押さえのシールをばんばん貼られてね。取り立てから逃れるため、小学校は6~7回転校したよ。 ――中学を卒業後、藤島部屋(当時)に入門しました。相撲を始めたきっかけは何だったのですか? 相撲はやりたいっていうか、小学校高学年のとき、たまたまテレビで見てて、面白かったんで。当時、ギャンブルは嫌