日露戦争終結時の連合艦隊解散の辞に、こういう一節がある: 武力なるものは艦船兵器等のみにあらすして之を活用する無形の実力に在り百發百中の一砲能く百發一中の敵砲百門に對抗し得るを覺らは我等軍人は主として武力を形而上に求めさるへからす 「武力とは船や兵器だけじゃなくこれを活用する無形の実力にあり、百発百中の砲一門は百発一中の敵砲百門に対抗しうることを自覚し、われわれ軍人は武力を主として形而上的なものとして求めるべきで、そうでなくてはならないのだ。」という意味である。 後年の帝国海軍の「月月火水木金金」といわれた猛訓練の精神的基礎となったこの言葉は、言わんとするところは理解できるものの、全体としては小学生でもわかるくらい間違ってる。百発百中の砲1門と百発一中の砲100門が撃ち合えば、味方の砲は1度の射撃で破壊され、敵の砲を1門破壊したとしても残りが99門もあって、戦力は1%しかダウンしない。完敗