著名な中学受験塾の講師の方から聞いた話である。教え子の中に算数、国語が抜群にでき、成績がいつもトップクラスの少年がいたという。彼は理科も物理、化学領域は極めてよくでき、その塾のエースだった。ところがどうしたことか、植物分野を除く生物領域がからっきしダメ。彼は昆虫、魚、人体の図を見るとアレルギー反応を示していたのである。 ある日、塾の廊下で、少年の目の前を一匹のゴキブリが素早く横切った。少年の反応は正直だった。少年は腰を抜かし、廊下に尻もちをついてしまったというのである。 少年の昆虫嫌いは模試の時も変わらず際立っていた。昆虫の顔の図が出ているだけで額に油汗が浮かぶ。具合が悪くなるので問題用紙を伏せ目を背けてしまうこともあった。塾のスタッフは皆この行動に困り果ててしまった。彼の両親は医師で、彼も将来医学部を目指していたからである。 けっこういる!「生物嫌い」の医学部志望 医学部を志望していなが