連載終了時に書こうとしてタイミングを逃したので,単行本最終巻が出たこのタイミングで書いておく。 阿知賀編が完結したが,世評は賛否両論であったと言ってよいと思う。私自身も賛の側であるが,不満点がないわけではなく,他の褒めている人に聞いても何かしらの不満点が聞かれる。さてその中で私が気になったのは,阿知賀チームの強さに対する批判である。この点確かに,さらっと読んでいくと阿知賀の成長があまりにも早すぎて不自然であり,準決勝ではとうとう白糸台や千里山に勝ってしまった。これにより白糸台の格が落ちたという批判も根強く,批判側の意見としては最有力のものとなっている。不思議なことに千里山の格が落ちたという批判は聞かないのだが,白糸台の格が落ちたなら千里山も落ちているだろう。要するに,泉の失点は許されても亦野の失点は許せないというのが世評のようだ。 この点,しっかり読めば阿知賀は急成長したわけではなくて最初