衆院選を控え激化する与野党の駆け引きで、廃案見込みとなった一部法案の関係者から15日、怒りや失望の声があがった。肝炎対策法案は患者団体や薬害肝炎被害者が、貨物検査特別措置法案は北朝鮮による拉致被害者家族会などが成立を待ち望んでいた。「命が置き去りにされた」「あってはならない事態」。「選挙モード」にひた走る国会に対する不信感が増幅した。【清水健二、曽田拓】 与野党が提出していた肝炎対策法案。ウイルス性肝炎感染者は国内で推定約350万人おり、多くは輸血や注射などの医療行為が感染原因だ。患者たちは「治療体制を進めるには、がん対策と同じような基本法が必要」と訴え、6月までに約30万人分の請願署名を国会に提出した。法案は07年11月に与党、今年2月に野党4党がそれぞれ出したものの一本化できなかった。 法案内容の隔たりも一本化できなかった一因だが、患者側の多くは「政党の駆け引きに使われた」と受け止めて