出所)The Third Assessment Report of The Intergovernmental Panel on Climate Change, Chapter 2, Figure 2.20 これは世界で最も有名な科学データの1つと言えるだろう。“ホッケースティック曲線”と呼ばれ、地球温暖化を示すこのデータは世界中で大きな論争を巻き起こした。本書の著者は、1998年にマイケル・マン、マルコム・ヒューズと連名で『ネイチャー』誌にこの図の元となるデータを発表したレイモンド・S・ブラッドレーである。 本書では世界中の科学者、政治家、メディアを巻き込んだ一大論争を、その中心にいた著者が時系列で振り返りながら、ホッケースティック曲線の妥当性を古気候学の立場から説明している。温暖化懐疑論の1つ1つに冷静に反論していくというよりは、自分達に向けられた批判に対して皮肉と怒りを思いっきりぶつ