今年6~7月に行われたフランスの国民議会選挙では、議席の過半数をうかがうとみられた極右勢力が、最終的に第3党へ追い込まれるという波乱がおこりました。フランスでは日程をかえて2度の投票を行う「小選挙区2回投票制」が採用されており、1回目を終えて極右の優位が鮮明になると、他の各党はその勢いを止めるべく協力して2回目へと臨み、形勢を逆転させたのです。そこで行われた攻防をデータを使って読み解いてみましょう。 小選挙区2回投票制 フランスの国民議会選挙は小選挙区制であるものの、投票を2回行うという独特なやり方が採用されています。 第1回の投票は、しばしば本選挙の前に行われる予備選に近い意味合いを帯びており、それが担う主な役目は有力候補の選別です。この段階で当選を決めることも可能であるものの、そのためには投じられた票の過半数を一人で得なければならないという高いハードルが課されています。選挙区内の最多得