イラクのアバディ首相が11月30日、政府軍に5万人もの架空の兵士が登録されていたことを議会で明らかにした。将校らが、部下などとして数人から数十人分の名前を届け、政府から支払われる給料を横領していたという。過激派組織「イスラム国」掃討に向けてカギを握る軍の腐敗は、軍事、経済両面で同国を支援する国際社会からの厳しい批判にさらされそうだ。 9月に就任したアバディ首相は腐敗の一掃を掲げ、政府組織の点検と改組を進めてきた。その結果、「幽霊兵士」と判明した約5万人を名簿から削除し、給料の支払いを停止した。 将校らは、身分に応じて護衛や部下を登録し、給料の分配も任されていたという。