1804年12月、ノートルダム大聖堂で、フランス皇帝ナポレオンが妻のジョゼフィーヌに皇后の冠を授けた。画家ジャック・ルイ・ダビッドの作。1809年、後継ぎが生まれないことを理由にジョゼフィーヌは離縁され、夫妻の不安定な関係に終止符が打たれた。(PHOTOGRAPH BY BRIDGEMAN IMAGES) ナポレオンが軍隊で昇進を重ね、フランス革命の混乱を収めて第一統領に就任し、とうとう皇帝の座に上りつめるまでの14年間、彼のかたわらには妻のジョゼフィーヌがいた。ナポレオンが妻に書き送った多くの手紙から、ふたりの関係はロマンスの典型として長く支持され、たくさんの伝説が夫婦関係から生まれている。近年では、ふたりのロマンスの虚構をあばく歴史家もいるが、映画『ナポレオン』のリドリー・スコット監督は、ジョゼフィーヌをナポレオンが「本当に愛した唯一の女性」と考えている。 「(ナポレオンは)突然に頭角