サウスロンドン発のギタリスト、マンスール・ブラウン(Mansur Brown)が6月10日(土)に東京、12日(月)に大阪のビルボードライブで初の来日公演を行う。実は、UKジャズ周辺のシーンで最も謎めいた存在が彼だった。 最初に聴いたのは2018年の『We Out Here』に収録されたトライフォース「Walls」での演奏。そもそもギタリストが多くないシーンだけに、ギターが入っているだけで目立ってしまう。そのうえ、ロックっぽい演奏のギターはかなり異質で、前半はプログレもしくはフュージョンっぽく聴こえる。しかし、それが後半になるとリズムがトラップっぽくなり、ギターはその上物っぽく漂い、そのまま曲が終わる。 『We Out Here』はUK若手ジャズシーンのショウケースのようなコンピレーションだった。カリビアンやアフリカンの移民やその2世がそのルーツを誇示するような音楽性が近年のUKのシーンの