ホワイトアルバムに関する長すぎる記事を書き終わったので、折角だからこっちのアルバムについても書いとこう、と余勢を駆って書くものです。おそらく1990年代以降、これとホワイトアルバムが“The Beatles”という看板をなしにした上で最も多くのリスペクトを受けている作品でしょう。 歴史的意義と現代的な影響力とは基本的に異なるものであって、歴史的意義の方は本当に歴史の中に埋もれてしまって「ふうん、今はそれが普通だけど当時はそうなんだ」みたいになってしまいます。現代的な影響力というのは、歴史に埋もれずに、いつまでもある種の異形として奇しくも魅力的に輝くものだと思われます。そしてそういう意味において、ホワイトアルバムとこれがこのバンドで最もそういう作品なんだと思われます。 折しも2022年にはデラックスエディションが出て、そこでステレオ版についても徹底的に現代的な聴きやすさの基準でリミックスされ