都市の歴史の転換点となってきた大火災 都市というものが発生して以来、火事は人類の歴史にはつきものです。 大都市になると火災も大規模になったため、消化水の設置や消防団の組織、延焼を防ぐ区画など、都市は火災から命や財産を守るための機能を備えてきたのですが、それでも大火災が起こってしまい、歴史の転換点となる場合がありました。 これまで起こった歴史的な大火災を見ていきましょう。 1. ローマ大火(64年) キリスト教徒大弾圧の口実となった大火事 ローマ大火は西暦64年に起きた古代世界で最大の被害を出した都市火災です。 火はチルコ・マキシマスと呼ばれる戦車競技場の近くにある「燃えやすい品物を売っていた店」から始まり、当時ローマに吹いた南からの乾いた風によって木造の家屋に燃え広がりました。ローマの14地区のうち3地区が完全に燃え尽き、7地区もほぼ壊滅状態に。火はローマの3分の2を破壊し、何百人もの死者