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ローレンス・コールバーグの検索結果1 - 8 件 / 8件

  • フェミニズムと動物:まとめと批判 - 道徳的動物日記

    An Introduction to Animals and Political Theory (The Palgrave Macmillan Animal Ethics Series) (English Edition) 作者:Cochrane, Alasdair Palgrave Macmillan Amazon 先日に引き続き、「フェミニズムと動物倫理」というテーマでお勉強。 今回は政治哲学者のアラスデア・コクレーン(Alasdair Cochrane)のAn Introduction to Animals and Political Theory(『動物と政治理論:入門』)の第7章「フェミニズムと動物」に書かれていることをまとめる。 なお、本書では、「功利主義と動物」「リベラリズムと動物」「共同体主義と動物」「マルクス主義と動物」という章もある。また、ただ単にまとめるだけではなく、

      フェミニズムと動物:まとめと批判 - 道徳的動物日記
    • 読書メモ:『もうひとつの声で 心理学の理論とケアの倫理』 - 道徳的動物日記

      もうひとつの声で──心理学の理論とケアの倫理 作者:キャロル・ギリガン 風行社 Amazon 言わずとしれた、「ケアの倫理」を最初に提唱した元祖的な本。このブログの以前の記事でねだったら購入してもらえましたので読みました*1。また、この本を読むために、批判対象であるローレンス・コールバーグの本も事前に読んでいた*2。その後に忙しくなって読むのが遅れたのでGWをきっかけに読んだけれど……残念ながら、なかなか苦痛な読書であった。 以前にファビエンヌ・ブルジェールの『ケアの倫理-ネオリベラリズムへの反論』を読んだ際には、哲学や倫理学の本にあるまじき「政治性」について、以下のような文句を書いた。 そして、わたしが思うに、これらの本がつまらない最大の理由は、哲学の議論であるくせにアイデンティティ・ポリティクスに主張を引きづられていることだ。何が是とされて、何が否とされるかという前提は、本が書かれる前

        読書メモ:『もうひとつの声で 心理学の理論とケアの倫理』 - 道徳的動物日記
      • 「普遍的な道徳」は存在するか?(読書メモ:『道徳性の発達と道徳教育』) - 道徳的動物日記

        道徳性の発達と道徳教育 作者:ローレンス・コールバーグ,アン・ヒギンズ 麗澤大学出版会 Amazon 「ケアの倫理」を最初に提唱したキャロル・ギリガンの『もうひとつの声で』の批判対象として有名な……というか、哲学・倫理学界隈では「ギリガンに批判された人」というイメージしか抱かれていないおそれもある、教育心理学者兼哲学者のローレンス・コールバーグさんの本。 この本には1980年代にコールバーグが廣池学園(モラロジー研究所の関連機関)で行なった講演と、1971年に彼が執筆した代表的な論文(「道徳教育の基盤としての道徳性の発達段階」)などが収められている。講演に関してはモラロジー研究所や廣池千九郎へのヨイショ的な文言も差し挟まっていて、割り引いて読まなければいけない感じがある。また、別々の機械になされた複数の講演と論文とが収められているため、一冊の本のなかで同じ話題やトピックが何度も繰り返された

          「普遍的な道徳」は存在するか?(読書メモ:『道徳性の発達と道徳教育』) - 道徳的動物日記
        • 山竹伸二 著『共感の正体』より。共感の本質観取を試みる。 - 田舎教師ときどき都会教師

          コールバーグは自身の理論を検証するために、10歳から16歳までの少年72人に次のような質問をしている。「ハインツの奥さんがガンで死にかかっている。特効薬で助かるかもしれないが、それを買うお金が半分しか集まらず、交渉したが断わられた。困ったハインツは倉庫に忍び込んで、薬を盗んだ」という事例を話した後、「薬を盗むべきだったか?」「なぜそう思うか?」を尋ねたのである。 (山竹伸二 著『共感の正体』河出書房新社、2022) こんばんは。被験者72人の中に少女が含まれていないのなぜでしょうか、という疑問はさておき、上記はいわゆる「ハインツのジレンマ」と呼ばれる、道徳の授業にも使える事例です。コールバーグというのはもちろん、道徳性発達理論の提唱者である心理学者のローレンス・コールバーグ(1927ー1987)のこと。教員採用試験対策(!)みたいな参考書によく載っていましたよね。道徳性は6つの段階を経て発

            山竹伸二 著『共感の正体』より。共感の本質観取を試みる。 - 田舎教師ときどき都会教師
          • リベラルの盲点は「道徳資本」

            この5つのチャンネルは集団維持のための自己抑制のセットをなしており、つまり人間の脳は、社会維持にとって必要な行動(人としてどう振る舞うべきか)を、「守られやすい」直観道徳として感じるように進化したというのが著者の分析である。 これら生得的な直観道徳チャンネルには「適応課題」で示されているような抽象的な観念が置かれているだけで、内容は具体的にはきまっていない。具体的な中味は、それぞれの社会集団が生活形態に合わせてチャンネルを調整することできまってくる。 そうして各集団が調整してつくりあげた直観道徳の具体的なセットを「道徳マトリックス」といい、それがその社会における美徳(社会道徳)を構成している。 道徳というと理性的なもの、後天的なものと思われがちだが、社会道徳については、このように理性ではなく(理性では制御できないがゆえに拘束性がある)生得的な直観システムを基礎にしているというのが著者の見立

              リベラルの盲点は「道徳資本」
            • 中国の「ゲーム適齢提示」の全貌。4種類に分けられた年齢層の,それぞれにおいて許されること,許されないこと

              中国の「ゲーム適齢提示」の全貌。4種類に分けられた年齢層の,それぞれにおいて許されること,許されないこと 編集部:北島 仁 秋頃から日本でも話題にのぼり始めた,中国共産党中央委員会の機関紙「人民網」が中心になって策定している「ゲーム適齢提示」だが,シンプルな年齢制限というわけでもなく,意外に複雑で全体像がつかみづらい。今回「人民網」から直接入手した草案の資料を,翻訳してここに掲載しよう。翻訳の元になっているのは,2019年11月バージョンの「游戏适龄提示草案」というもので,全12ページの冊子となっている。 中国という国は,言うまでもなくなんでも規模が大きい。単純に人口だけ見ても日本の10倍以上で,PCであろうがスマホであろうが,運営型オンラインゲームのサービスを考えたときには,出来るならば進出したい国の筆頭だといってもよいだろう。 しかし日本のゲームを中国でサービスしようと思ったときに,そ

                中国の「ゲーム適齢提示」の全貌。4種類に分けられた年齢層の,それぞれにおいて許されること,許されないこと
              • よみがえるヒロインたち - オースティンと『イカゲーム』のヒロインたち | ウェブマガジン「あき地」

                1.『イカゲーム』のセビョク 先月、Netflixオリジナルドラマ『イカゲーム』の主演イ・ジョンジェとチョン・ホヨンが、第28回SAG(全米映画俳優組合)賞のドラマ部門でそれぞれ主演男優賞と主演女優賞を受賞し、大きな話題となった。非英語作品からドラマ部門の主演男優賞と主演女優賞が受賞するのは初めてということを踏まえても、この韓国ドラマへの注目度の高さがうかがえる。i チョン・ホヨンの受賞は、その演技力だけでなく、彼女が演じたセビョクという女性が体現するヒロイン像の新しさにも関係しているのかもしれない。そして、その新しさはイ・ユミ演じるジヨンと共演した第六話に象徴されている。 『イカゲーム』は、命を賭けたデスゲームに参加する人々の人間模様を描いている。チョン・ホヨン演じるセビョクは、失業して家族にも見放されてしまった主人公のギフン(イ・ジョンジェ)のように、命を賭けて大金を手に入れるため、デ

                  よみがえるヒロインたち - オースティンと『イカゲーム』のヒロインたち | ウェブマガジン「あき地」
                • ケアのおせち、あるいはケアの倫理と学校道徳はどう違うのか[第2回] ぼんやり者のケア・カルチャー入門

                  『女の子は本当にピンクが好きなのか』・『不道徳お母さん講座』で話題の堀越英美さんによる新連載「ぼんやり者のケア・カルチャー入門」。最近よく目にする「ケア」ってちょっと難しそう…でも、わたしたち大人だって、人にやさしく、思いやって生きていきたい…ぼんやり者でも新時代を渡り歩ける!?「ケアの技術」を映画・アニメ・漫画など身近なカルチャーから学びます。第2回のテーマは…おせち? ほんとうに女の子の回答は劣っている?「ケアの倫理」という言葉を耳にしはじめた頃、何がどう新しいのかはよくわかっていなかった。「思いやりが大切」「弱者にやさしくしましょう」程度のことなら、学校の道徳と変わらない。古臭い儒教にだって、「仁」(思いやりの心)だとか「惻隠の情」(あわれむ心)といった言葉はある。 「ケアの倫理」について納得できたのは、発達心理学者キャロル・ギリガンの『もうひとつの声』 で取り上げられていた「ハイン

                    ケアのおせち、あるいはケアの倫理と学校道徳はどう違うのか[第2回] ぼんやり者のケア・カルチャー入門
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