取材班に「本校における部活クライシス」と題する一通のメールが届いた。小学生の子供を持つ三重県伊賀市の保護者からで、「今後の部活動の存続が危ぶまれている」などと悲痛な言葉がつづられていた。 「保護者がチームを運営しては」 過疎化が進む山あいの地域で、人気バレーボール漫画「ハイキュー‼」に影響を受けた小学6年生たちが楽しげにボールを追いかけていた。「中学生になったらチームとして活動したいね」。だが、その夢は「学校か地域か」の選択の中で宙に浮いている。 伊賀流の忍者発祥の地として知られる伊賀市は平成の大合併により、6市町村が合併して誕生した。中でも約2000人が暮らす旧島ケ原村は少子高齢化が著しく、人口減少率はこの25年で25%を超え、65歳以上の高齢化率は50%に迫る。昨年には国から過疎地域に指定された。 島ケ原地区の小中学校はそれぞれ1校しかなく、同じ敷地内にあってグラウンドを共有している。