2018年の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)による水害で、壊滅的な被害を受けた岡山県倉敷市の真備地区。井原鉄道に乗って2年半ぶりに現地を訪れた。車窓から外を眺めていると、小田川沿いの築浅の奇麗な住宅群が目に飛び込んできた。 岡山県倉敷市を流れる小田川の堤防の背後に並ぶ住宅街。2018年の西日本豪雨で5mほど浸水した区域だ。2021年4月中旬に撮影(写真:日経クロステック) 被災した世帯が生活再建して、仮設のみなし住宅から戻っている証拠で、復旧が進んでいる喜ばしい光景だ。ただ一方で、「災害に対して脆弱な土地で、また多くの人が住み続けてしまうのだろうか」という憂いを抱いた。 倉敷市が18年12月に真備地区の被災世帯へ実施したアンケートでは、8割以上が同地区での居住の意志を示している。そのうち自宅の建て替えや修繕を希望する割合は7割近くに上った。 同市に本社を構えるある不動産会社の担当者は、「真