『映画クレヨンしんちゃん』シリーズが今年で30周年なので「興行収入」を軸に振り返る。1回目は本郷みつる監督及び原恵一監督時代の1〜10作目。参考文献は記事一番下。 「異世界」に迷い込む路線の本郷みつる監督時代 『クレヨンしんちゃん』は臼井儀人先生の日本の青年漫画。テレビアニメ版は当初半年程度の穴埋め枠だったが、視聴率が倍々ゲームで伸びたことで社会現象となり、映画化されるまでになった。その1作目は1993年7月24日公開の『アクション仮面VSハイグレ魔王』。しんちゃんは基本1話完結の日常系ギャグ作品だったが、アクション仮面が実在するパラレルワールドに迷い込むという非日常的な作品を製作。同じくテレビ朝日で放送されていた『あたしンち』が「日常」のリアリティラインに収めることで劇場版が跳ねなかったことを考えると、本作の「日常に縛られない自由度の高さ」こそがしんちゃん映画をここまでの長寿シリーズにし