貨物専用鉄道「高岳引込線」を活用した次世代型路面電車(LRT)などの新交通システム構想について、栃木県小山市が導入を見送ることが29日までに、関係者への取材で分かった。既存の線路設備が老朽化などで全面改修する必要があることが判明し、事業費が想定の約27億円の倍近くまで膨らむ見通しとなったため。需要予測も実施し、採算が取れるだけの利用者数を確保できないと判断した。 2014年度以降、関係者や有識者を含めた検討の場を設けてきたが、20年度以降は休止する。既存の線路を使うことで費用を抑えるという大前提が崩れたことで、議論は一つの区切りを迎えた。 17年4月に提出された「市まちづくりと新交通の導入に関する検討委員会」の報告書(答申)は、LRTを導入した場合の概算事業費は約27億円、沿線住民のアンケートを基に算出した利用者数は1日約4660人と想定していた。 その後、市が水面下で国土交通省に助言を求