日光山の歴史と戊辰戦争 日光山内の社寺は二荒山神社、日光東照宮、日光山輪王寺に分かれ、これらを総称して「二社一寺」と呼ばれている。日光東照宮は徳川家康を「東照大権現」という「神」として祀る神社だが、二荒山神社と日光山輪王寺は山岳信仰の社寺として奈良時代に創建されたもので、東照宮よりはるかに長い歴史を持っている。 『木曾名所図会』日光山伽藍 日光山は天平神護二年(766年)に勝道上人によって開かれて輪王寺の前身である四本龍寺(後に朝廷より満願寺の称号を賜った)が建立され、その後山岳信仰の場として多くの行者が修行に訪れるようになった。 神仏習合が進むと、男体山(二荒山)、女峰山、太郎山の三山が三仏(千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音)に比定されるようになり、三仏(=日光三所権現)を祀るものとして金堂(三仏堂)が創建されて山中の諸院・諸坊は満願寺と総称されていたという。 元和二年(1616年)に徳川