[東京 26日] - 間もなく新しい日銀総裁の名前が明らかになる。その人物が取り組むべき金融政策の正常化は、極めて険しい道のりになりそうだ。もしかすると、任期の5年間では足りず、10年以上を要するかもしれない。 そこで、次の焦点であるイールドカーブ・コントロール政策(YCC)の撤廃について考えたい。そのスキームを見直すことがいかに難しいかは、昨年12月と今年1月の会合で改めてよくわかった。日銀自身ももがき苦しんでいると思える。 まず、昨年の12月日会合では、長期金利の変動幅の上限を0.25%から0.50%に引き上げた。本当は上限撤廃でもよかったが、それでは長期金利が跳ね上がる。しかし、上限を0.50%にした後も、8、9年などの年限での上昇圧力が働き続ける。やむを得ず指し値オペで10年のところの金利上昇圧力を抑えるしかなかった。