近畿大学医学部(大阪狭山市)形成外科の磯貝典孝教授が、自らが指導する複数の博士号取得者から1人当たり30万円を受け取っていたことが明らかになった。元大学院生らは「普段の指導の謝礼として渡した。慣例になっていた」と毎日新聞に証言。学位論文の審査に不正はなかったとみられる。教授を巡っては、大学に無断で設立した研究会の会費を私的に流用した疑いもあり、大学が調べている。 ◇元院生ら「慣例になっていた」 証言した複数の元院生らによると、医学博士の学位論文審査は、主査と呼ばれる主任教員1人と副査と呼ばれる副主任教員2人が当たる。主査と副査が公聴会で質問し、院生らが研究成果を報告。質疑応答に問題がなければ、学位が授与される。元院生らは学位取得後、磯貝教授にそれまでの指導の謝礼として30万円を支払った。 ある元院生は「謝礼金を渡す慣習があり、30万円が相場だと先輩から聞いていたので封筒に入れて渡した」と明