◆ ◆ ◆ 大学将棋の「王座戦」といえば 換気のために開けた窓から入った風がブラインドを揺らす。東京大学将棋部の主将、伊藤蓮矢さんは将棋大会の会場でコートを着た。2020年12月6日、関東の7大学の将棋部が団体戦の全国大会「王座戦」の切符2枚を争うために集まった。 例年なら、もっと多くの大学が応援の部員も含めて集まるから、会場はごった返し、冬でも暑いくらいだ。今年は感染防止のため、出場校数も1校あたりの入場人数も厳しく制限され、「密」になっていない部屋は少し寒かった。 2020年12月6日にトリプルアイズ社で開かれた、王座戦の関東代表2校を決める大会「関東A級王座戦選抜トーナメント」の様子 ©️宮田聖子 「王座戦」というと将棋ファンは永瀬拓矢王座がタイトルを持つ、プロ棋戦を思い浮かべるだろう。しかし、大学将棋に関わった者にとって「王座戦」は、年末(今年は12月25~27日)に三重県四日市市