昨年12月に東京都内で行われた世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級タイトル戦で、試合を管理・運営した日本ボクシングコミッション(JBC)が実施したドーピング(禁止薬物使用)検査により、勝利した井岡一翔(かずと)選手(32)の尿検体から陽性反応が出たことが複数の関係者への取材で分かった。ドーピング違反は確定しておらず、検査の過程に不備があったかどうかの検証を含め、JBCは外部有識者を中心とした倫理委員会を設置し、違反の有無や処分の判断を委ねることにした。 【写真】昨年12月31日のタイトル戦で、5回に田中恒成選手(左)からダウンを奪う井岡一翔選手 タイトル戦は昨年12月31日に行われ、日本男子初の4階級制覇を成し遂げている井岡選手が、挑戦者の田中恒成選手(25)を下した。関係者によると、試合当日に井岡選手から採取した尿検体を「A検体」と「B検体」に分け、今年1月に検体を分析。A検体か