JR西日本は3月22日にAndroidスマホのタッチで鉄道利用や買い物ができる「モバイルICOCA」を開始する。同種のサービスはJR東日本が2006年にガラケー向け、11年にはスマホ向けに展開済み。遅れること12年、周回遅れのリリースの裏には何があるのか。 「数十億円という投資コストに見合うのか、検討に時間がかかってしまった。大変お待たせをした」。モバイルICOCA開始の記者会見に登壇したJR西の奥田英雄デジタルソリューション本部長は、JR東の「モバイルSuica」よりもサービス開始が大幅に遅れたことを問われると、こう話した。 ICOCAのような交通系ICカードの利用履歴は、消費者の日々の行動分析に役立つ宝の山だ。何時何分にどの駅からどの駅まで鉄道を利用したのか、どの店でいくらの買い物をしたのかなど、膨大なデータを収集できるからだ。 しかし問題が1つある。データの多くが無記名で、利用客の氏