近年、中学受験に熱心な父親が増えている。 特に、コロナ禍でリモートワークが浸透してからは、それまで子供の教育を母親に任せっぱなしだったことを取り戻すかのように、「父親である自分が頑張らねば」と前のめりになっているように感じる。現にここ2、3年、私のところにも父親からの相談が相次いでいる。そのこと自体は悪いことではない。しかし、彼らの多くはこう尋ねるのだ。 「何をやらせれば成績が上がりますか?」 中学受験といえば、これまで長い間、母親と子供の二人三脚が主流だった。一般論にはなるが、子供に対しての共感力は母親のほうが高く、「ちゃんと勉強しなさい!」「宿題はもう終わったの?」といった日々の小言はあっても、「いつも頑張っているね」「できなかった問題が解けるようになってよかったね」と子供の頑張りや成長にもちゃんと気づいてあげることができ、それはそれでうまくいっていたように思う。 一方、「共感」がベー