百人一首第30番目の歌の作者は壬生忠岑です。 36歌仙の一人です。古今和歌集の選者でもありました。 今回は壬生忠岑について紹介します。 壬生忠岑とは 生年860年頃、没年が920年頃。 前回の凡河内躬恒とほぼ同じ時代の人です。 和歌の才能は高く評価されていましたが、高位に任官されることはなかったようです。 百人一首に選ばれた歌に関して、逸話があります。 後鳥羽院が藤原定家、家隆に古今和歌集の中の名歌はどれかと尋ねられました。 定家、家隆の二人が選んだのがこの壬生忠岑の歌だったといいます。 内容は素朴なものですが、時間の流れや人の心の動きなどが無理なく自然に表現されているところを評価したようです。 時代背景 壬生忠岑の生きた時代は、平将門の乱(935年)、藤原純友の乱(939年)の前夜といえる時期です。 この時期、全国で荘園が発生しています。 そもそもは、律令制の一環として行われていた班田収