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山崎まどかの検索結果1 - 5 件 / 5件

  • 山崎まどかの『一度きりの大泉の話』評:萩尾望都が竹宮惠子に向けていた眼差しとその痛み

    1970年から1972年まで竹宮惠子と萩尾望都が同居し、そこに同世代の少女マンガ家「花の24年組」を中心とするメンバーが出入りして「大泉サロン」と呼ばれた借家。それは少年マンガにおける「トキワ荘」と並ぶ、少女マンガ文化におけるひとつの伝説だった。 萩尾望都の側から見た残酷な事実 『少年の名はジルベール』(小学館) 竹宮惠子が自伝『少年の名はジルベール』(小学館/2016)で「大泉サロン」時代の話を書くと、この伝説には新たなベクトルが加わり、より神話性が強まっていった。接近し過ぎた若い創作者同士の思わぬ齟齬。竹宮惠子はそれを天才・萩尾望都への自分の一方的な嫉妬として描いている。 萩尾望都の語り下ろしである『一度きりの大泉の話』(河出書房新社)は『少年の名はジルベール』そのものというよりも、竹宮の本に対する反響で自分が被ったことへの返答として書かれている。これは単体で読む彼女の自伝というよりも

      山崎まどかの『一度きりの大泉の話』評:萩尾望都が竹宮惠子に向けていた眼差しとその痛み
    • 母と少女マンガのこと。|山崎まどか

      母と少女マンガのこと。 233 山崎まどか 2021年5月8日 10:27 ¥100 ダウンロード copy ここから先は 1,939字 / 2画像 ¥ 100 購入手続きへ ログイン #マンガ 233 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート

        母と少女マンガのこと。|山崎まどか
      • 山崎まどかの『一度きりの大泉の話』評:萩尾望都が竹宮惠子に向けていた眼差しとその痛み

        『トーマの心臓』(小学館文庫版) 萩尾望都と竹宮惠子、二人の作品は確かに一時期、似たような題材を扱っていたかもしれない。少年同士の関係もそのひとつだ。それぞれの本を読むと「少年愛」や今のBLに対する思いは違うが、女性の表現者に、もっと言うと女性そのものに押しつけられた物語からの脱却を、二人が少年同士のつながりに求めていたのがよく分かる。 しかし本人たちやファンが気にするほど、『トーマの心臓』『小鳥の巣』と『風と木の詩』は本当に似ているだろうか? かつては私もそう思っていたかもしれない。中学生の頃は、『風と木の詩』は『トーマの心臓』を扇情的に、コマーシャルに作り替えたものだと信じていた。そう思われることこそが、竹宮惠子が恐れていたことだったのだろう。業界やファンの間では逆の噂があったのだと、萩尾望都の方は語っている。 『風と木の詩』( Kindle版) 今の自分の目で見ると、それぞれの作品は

          山崎まどかの『一度きりの大泉の話』評:萩尾望都が竹宮惠子に向けていた眼差しとその痛み
        • 山崎まどかが解説 ソフィア・コッポラの新作に見る「脱少女宣言」 | CINRA

          「誰かここから私を連れ出して欲しい。ソフィア・コッポラの描く少女たちは、閉ざされた空間の中でいつもそう訴えてきた」 コラムニストの山崎まどかは、映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(2017年)に寄せて、ソフィア・コッポラ作品に登場する女性たちについて、そのように書いた。どんなに恵まれていても、どこにも行けず、一人ぼっちで甘く重たい蜜のような空気を胸いっぱいに溜めて、窒息しそうになっていた女性たち。では本作においては、どうだろうか? ソフィア・コッポラが監督・脚本を務め、Apple Original FilmsとA24が製作を手掛けた新作『オン・ザ・ロック』。夫(マーロン・ウェイアンズ)の浮気を疑った妻のローラ(ラシダ・ジョーンズ)が、プレイボーイの父フェリックス(ビル・マーレイ)とともに、真っ赤なフィアットに乗って、ときにキャビアをかじりながら、魅惑的なニューヨーク

            山崎まどかが解説 ソフィア・コッポラの新作に見る「脱少女宣言」 | CINRA
          • 山崎まどか×Gucchi's・降矢聡×肌蹴る光線・井戸沼紀美が手渡す映画への愛

            誰かの生きる姿勢や活動を見て、思わず応援してしまいたくなったことは、ありませんか。その相手は身近な人だったり、手の届かない距離で輝く存在だったり、さまざまだと思いますが、応援したり、されたりすることは、お互いに少なからず力を分け与えあって、日々の足取りを軽やかにしてくれる糧になるもの。 She isとネスレ日本“キットカット”によるコラボレーション企画<わたしが応援するあの人たち。そこから生まれる景色。>では、She isのGirlfriends8名が、応援したいと思う個人を紹介。それぞれが、同じ時代に、共に頑張りたいと思える人たちと対話を行なっていきます。 連載最終回となる今回登場してくださったのは、コラムニストの山崎まどかさん。『アメリカン・スリープオーバー』『タイニー・ファニチャー』をはじめ、日本未公開の映画を中心に上映・配給などを行ってきた「Gucchi's Free School

              山崎まどか×Gucchi's・降矢聡×肌蹴る光線・井戸沼紀美が手渡す映画への愛
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