「革命思想家」太田竜の「アイヌ革命論」に感化された集団による暴力事件が、1970年代前半北海道で相次いで起こり、テロの連鎖が続く。一方で、太田自身は思想的変転を繰り返し、体調不良から自然食に傾倒、やがて陰謀論に接近していく。 体調不良と「自然観の革命」 アイヌ革命運動の展開、北海道と東京の往復、同志との離反、大量の原稿執筆、影響を受けた者による連続テロ事件、公安からのマーク、そして逮捕・拘留・裁判。 1960年代後半から1970年代の太田竜は、多忙かつ精神をすり減らす生活を送っていた。毎日、大量の砂糖とコーヒーを摂取するようになり、歯が痛んだ。その結果、食べ物を十分にかむことができなくなり、食事を飲み込むようになった。 水虫や痔が治らなくなり、年中、体のどこかが具合悪い状態になった。視力も遠視が進み、気力・体力も衰えていった。1970年代後半になると肝臓・膀胱・尿道が悪くなり、頻繁にトイレ